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字ごとに装飾を変える

  

字ごとにフォントや位置などを変えられる

Inkscapeのテキストは、通常のテキスト・流し込みテキストともに字ごとに装飾を変えることができます。 フォント・フォントスタイル・フォントサイズはもちろん、オフセット(ベースラインの垂直位置)・カーニング・回転など細かい調整が可能です

 

1つのテキストオブジェクトとは思えない複雑な装飾もInkscapeなら可能です。

  
オフセット・カーニング・回転は、通常のテキストでしか使えません。 流し込みテキストでは、設定は保持されますが表示には反映されません。 なお、流し込みテキストを通常のテキストに変換すると表示にも反映されるようになります。

テキストの一部だけ装飾を変えてみる

では、字ごとに装飾を変えてみましょう。 まずは、新規ドキュメントを開き、次にテキストツールに切り替えます

1. テキストツールを選択
1. テキストツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスからテキストツールを選択します(またはキーボードのT(またはF8キー)を押します)。

では、テキストを入力しましょう。

  
ドラッグではなくクリックでテキストを作成してください。 ドラッグしてしまうと、流し込みテキストが作成されてしまいます
2. 入力されたテキスト
2. 入力されたテキスト

上図のように何でもいいのでテキストを入力します(今回の例では "My Text" と入力しています)。 ただし、文字が小さくてよく見えませんのでフォントサイズを大きくしましょう

3. フォントサイズを設定
3. フォントサイズを設定

上図のように画面上部にあるツールコントロールでフォントサイズを指定します。 文字が見やすいよう、フォントサイズはやや大きめがいいかも知れません

続いて字ごとに装飾を変えますが、まずは対象の字を選択する必要があります。 マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグして選択してもいいですし、キーボードのSHIFT+カーソルキー()で選択してもいいでしょう。

4. 対象の字を選択する
4. 対象の字を選択する

上図のように対象の字を選択します。 では、選択した文字だけ装飾を変えましょう。 まずは、文字の大きさを変えてみます

5. フォントサイズを変更
5. フォントサイズを変更

上図のように画面上部にあるツールコントロールでフォントサイズを変更します。 今回は、96 から 144 に変更しました

6. 選択中の字だけフォントサイズが大きくなる
6. 選択中の字だけフォントサイズが大きくなる

上図のように選択中の字だけフォントサイズが大きくなります。 このように、字ごとにフォントサイズを変えることができます

では次に色を赤色に変えてみましょう。 画面下部にあるカラーパレットから色を指定します。

7. カラーパレットの赤色をクリック
7. カラーパレットの赤色をクリック

上図のようにカラーパレットの赤色を、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

8. 選択中の字だけフィルが赤色になる
8. 選択中の字だけフィルが赤色になる

上図のように選択中の字だけフィルが赤色になります。 このように、字ごとにフィルの設定変えることができます。 もちろん、ストロークに関する設定も同様です

では次に、文字のオフセットを調整してみます。 オフセットとは、文字のベースラインの上下の調整のことで、垂直シフトとも呼ばれます。

  
ベースラインとは、文字の見た目を揃えるための基準線のことです。 大文字の Q (キュー)や小文字の j (ジェイ)および y (ワイ)など、文字の一部が他の文字よりも下に飛び出していなければ美しく見えない文字を揃えるために必要とされます。

では、選択中の字のベースラインを上にずらします。 キーボードのALTキーを押しながらカーソルキーの上()を押してください。 キーを押している間、ベースラインが上方へ移動します。

9. 選択中の文字のベースラインが上方に移動する
9. 選択中の文字のベースラインが上方に移動する

上図のように選択中の文字のベースラインが上方へ移動します。 このように、ベースラインの垂直位置も字ごとに調整することができます

では次に、カーニングを行ってみましょう。 カーニングとは水平方向の位置の調整のことです。 文字と文字の間隔が全て同じだと美しく見えないことがあるため、文字ごとに間隔を調整できるようになっています。

では、選択中の字を後方(右)へずらします。 キーボードのALTキーを押しながらカーソルキーの右()を押してください。 キーを押している間、文字が後方へ移動します。

10. 選択中の文字の開始位置が後方に移動する
10. 選択中の文字の開始位置が後方に移動する

上図のように選択中の文字の開始位置が後方へ移動します。 このように、開始位置も字ごとに調整することができます

続いて文字の回転を行ってみましょう。 キーボードのCTRL+[を押します

11. 選択中の文字が90度単位で回転する
11. 選択中の文字が90度単位で回転する

上図のように選択中の文字が反時計回りに90度単位で回転します。

  
キーボードのCTRL+]を押すと時計回りに回転します。

では次に、キーボードのALT+CTRL+[を押してみましょう

12. 選択中の文字が細かく回転する
12. 選択中の文字が細かく回転する

上図のように選択中の文字が反時計回りに細かく回転します。 このように文字ごとに回転させることもできます。

  
キーボードのALT+CTRL+]を押すと時計回りに細かく回転します。
  
  

まとめ

テキストツールでテキストの一部だけを選択することで、その字のみ装飾を変えることができます。

操作/コマンド 説明
[テキストツール]ボタン
(または)
T
(または)
F8キー
テキストツールを選択する
(テキストツール選択中)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
クリックした位置を基点として通常のテキストを作成する
(テキストツール選択中)
(選択中のテキストの上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のドラッグ
(または)
SHIFT+カーソルキー()
テキストの一部の字を選択する

画面上部にあるツールコントロールでフォント・フォントスタイル・フォントサイズを変更することができます。 また、通常のテキスト限定ですが、キーボード操作でオフセット・カーニング・回転を調整することもできます。

操作/コマンド 説明
ALT+カーソルキーの上下() 選択中の字のオフセットを調整する
ALT+カーソルキーの左右() 選択中の字のカーニングを調整する
操作/コマンド 説明
CTRL+] 選択中の字を時計回りに90度回転する
CTRL+[ 選択中の字を反時計回りに90度回転する
ALT+CTRL+] 選択中の字を時計回りに1画面ピクセルだけ回転する
※モニタ上の1ピクセル
※文字を囲む仮想的な枠の角でのモニタ上の1ピクセルぶん
ALT+CTRL+[ 選択中の字を反時計回りに1画面ピクセルだけ回転する
※モニタ上の1ピクセル
※文字を囲む仮想的な枠の角でのモニタ上の1ピクセルぶん
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