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クローン(形状やフィル/ストロークが連動する複製)(その2)

  

複数オブジェクトで形状やフィル/ストロークを連動させる(続き)

前の記事の『クローン(形状やフィル/ストロークが連動する複製)』からの続きです。 引き続き、クローンの利用例について紹介します。

クローンを利用してみる(続き)

では、4つのクローンを重ねましょう。 この段階ではピッタリと重ねる必要はありません。 後で調整しますので、適当で構いません

ただし、重なりの順序には注意してください。 大きなものが背面に、小さなものが前面に来るように重なりの順序を変更しつつ重ねましょう。

32. 小さなものが前面になるように4つのクローンを重ねる
32. 小さなものが前面になるように4つのクローンを重ねる

上図のように小さなものが前面になるように4つのクローンを重ねます

では、4つのクローンを整列の機能を使って美しく重ねます。 まずは、4つのクローンを選択しましょう

33. 4つのクローンを選択する
33. 4つのクローンを選択する

上図のように4つのクローンを選択します。 4つとも選択したら整列を行います。

34. オブジェクト(O) -> 整列と配置(A)...を実行
34. オブジェクト(O) -> 整列と配置(A)...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"オブジェクト(O)" -> "整列と配置(A)..."を実行します(またはキーボードのSHIFT + CTRL + Aを押します)。

35. 整列と配置ダイアログが開く
35. 整列と配置ダイアログが開く

上図のように整列と配置ダイアログが開きますので、整列を行います。 まずは、4つのクローンの中心を垂直軸に合わせます

36. [中心を垂直軸に合わせます]ボタンを押す
36. [中心を垂直軸に合わせます]ボタンを押す

上図のように[中心を垂直軸に合わせます]ボタン([中心を垂直軸に合わせます]ボタン)を押します。 続いて、4つのクローンの中心を水平軸に合わせます

37. [水平軸の中心に揃えます]ボタンを押す
37. [水平軸の中心に揃えます]ボタンを押す

上図のように[水平軸の中心に揃えます]ボタン([水平軸の中心に揃えます]ボタン)を押します。 さらに、ダイアログのタブの[×]ボタン([×]ボタン)を押してダイアログを閉じましょう

38. 4つのクローンの中心が揃う
38. 4つのクローンの中心が揃う

上図のように4つのクローンの中心が揃います。 これで、大きさと色の異なる円を重ねた図形が完成しました。 後は、複製元の円を変形させ、この円を重ねた図形が連動することを確認するのみです。

では複製元の円のシェイプを選択しましょう。

39. 複製元の円のシェイプを選択する
39. 複製元の円のシェイプを選択する

上図のように複製元の円のシェイプを選択します。 ただし、まだ変形は行いません。 自由に変形できるようにするため、まずはパスに変換します

40. パス(P) -> オブジェクトをパスへ(O)を実行
40. パス(P) -> オブジェクトをパスへ(O)を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"パス(P)" -> "オブジェクトをパスへ(O)"を実行します(またはキーボードのSHIFT + CTRL + Cを押します)。

続いて、ノードツールに切り替えます

41. ノードツールを選択
41. ノードツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスからノードツールを選択します(またはキーボードのN(またはF2)を押します)。

42. ノードとセグメント
42. ノードとセグメント

上図のように表示が変化し、ノードとセグメントが表示されます。 では、ノードを移動してパスを変形させてみましょう

43. 複製元のパスを変形させる
43. 複製元のパスを変形させる

上図のように複製元のパスを変形させます。 注目すべきは、4つのクローンも連動して同じように変形していることです。

このようにクローンを使ったリンク付きの複製では、複製元の形状を変えると複製先のクローンも連動して変形します

これで目的は達成できましたが、まだ説明できていないことがありますので、さらに説明を続けます。 まずは、複製元がフィルを持たない場合についてです

ではここで、複製元のパスのフィルを削除してみましょう

44. フィルを削除する
44. フィルを削除する

上図のように画面左下のスタイルインジケータの(1)のフィルをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(2)の"フィルを削除"を実行します。

45. クローンのフィルが表示されなくなる
45. クローンのフィルが表示されなくなる

上図のようにクローンのフィルが表示されなくなります。 そして注目すべきは、セグメントが表示されていないことです。 バウンディングボックスとノードおよびノードハンドルは表示されていますが、セグメントが見えません

フィルを持たず、ストロークがアンセットの場合はこのようにセグメントが見えなくなります。 解決策はありますので大丈夫です。

46. ツールコントロールの[パスのアウトラインを表示]ボタンをオンにする
46. ツールコントロールの[パスのアウトラインを表示]ボタンをオンにする

上図のように画面上部のツールコントロールの[パスのアウトラインを表示]ボタン([パスのアウトラインを表示]ボタン)をオンにします。

47. パスのアウトラインが常に表示されるようになる
47. パスのアウトラインが常に表示されるようになる

上図のようにパスのアウトラインが常に表示されるようになります。 これで、フィルを持たず、ストロークがアンセットのパスも編集しやすくなります。

では、フィルをアンセットに戻しましょう

48. フィルをアンセットに戻す
48. フィルをアンセットに戻す

上図のように画面左下のスタイルインジケータの(1)のフィルをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(2)の"フィルをアンセット"を実行します。

49. クローンのフィルも表示されるようになる
49. クローンのフィルも表示されるようになる

上図のようにクローンのフィルも表示されるようになります。

では次に、選択ツールで複製元のパスを変形させてみましょう

50. 選択ツールを選択
50. 選択ツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスから選択ツールを選択します(またはキーボードのS(またはF1)を押します)。

では、拡大縮小ハンドルを使って拡大しましょう。

51. 拡大縮小ハンドルをドラッグ
51. 拡大縮小ハンドルをドラッグ

上図のように拡大縮小ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

52. 複製元のパスが拡大される
52. 複製元のパスが拡大される

上図のように複製元のパスが拡大されます。 そして、4つのクローンも連動して同じように拡大されています。 このように、選択ツールでの拡大・縮小も複製元・複製先が連動します

では次に、複製先の4つのクローンを回転させてみましょう。 4つとも選択し、拡大縮小ハンドルから回転/傾斜ハンドルに切り替えて回転させます。

53. 回転/傾斜ハンドルをドラッグ
53. 回転/傾斜ハンドルをドラッグ

上図のように回転/傾斜ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

54. 複製先のクローンが回転する
54. 複製先のクローンが回転する

上図のように複製先のクローンが回転します。 当然ですが、複製元は連動しません。 連動は、複製元 → 複製先への一方通行であるためです

では複製元のパスを回転させてみましょう。

55. 回転/傾斜ハンドルをドラッグ
55. 回転/傾斜ハンドルをドラッグ

上図のように回転/傾斜ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

56. 複製先のクローンも連動して回転する
56. 複製先のクローンも連動して回転する

上図のように複製先のクローンも連動して回転します。 ただし、複製元と同じ方向を向いてはいません。 これは、複製先の変形(拡大・縮小や回転)は、複製元から相対的に計算されるためです

クローンについては以上です。 必要なことは説明できたのではないかと思います。

  
  

まとめ

複製元のパスがフィルを持たない場合はノードツールで編集中にセグメントが見えなくなります。 その場合は、ツールコントロールの[パスのアウトラインを表示]ボタン([パスのアウトラインを表示]ボタン)をオンにすることで常にパスのアウトラインが表示されるようになります。

操作/コマンド 説明
[パスのアウトラインを表示]ボタン パスのアウトラインを常に表示する
 
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