Inkscapeで制作する画像はオブジェクトの集まりである、ということはすでに説明した通りです。 オブジェクトを作成してキャンバス上に配置することで、貼り絵のように画像を制作することができます。
オブジェクトとは、その名の通り『物体』のことですが、オブジェクトにはシェイプ・テキスト・パスの3種類があり、それぞれ特徴・役割が異なります。 シェイプ、テキスト、パスのそれぞれについて以下で解説します。
シェイプとは基本図形のことで、矩形・3Dボックス・円・多角形・螺旋があります。 シェイプを元に加工することで、ゼロから図形を作成するよりも効率よく作業することができます。
シェイプは形状をある程度加工することができますが、固有の特徴を変えることはできません。
矩形の角を丸めたり、円を弧に変えたり、五角形を七角形に変えるということはできます。 角を丸めても矩形は矩形ですし、弧は円の一形態です。 また、五角形も七角形も多角形の仲間です。
しかし、矩形を円に変えたり、円を三角形に変えたり、五角形を円に変えるというようなことはできません。 矩形は矩形以外の図形には変えられませんし、円は円以外の図形には変えられません。 3Dボックスや多角形・螺旋についても同様です。
テキストは、その名の通り文字の集まりです。 ワープロやメモ帳で文字を入力するのと同じように、キーボードから英数字・日本語など好きなように打ち込むことができます。 文字を含む画像を作成するためには欠かせない機能です。
文字の集まりですので、もちろん、ワープロやメモ帳と同じように文字単位で修正することができます。
パス(Path)を直訳すると『経路』 や『道筋』となりますが、画像ソフトウェアの『パス』は複数の点でつながれた線のことを表します。 つまり、キャンバス上に引かれている道と言えます。
シェイプとは異なり、決まった形はありません。 好きなように形を作ることができます。
各点のことを『ノード』、ノードとノードを結ぶ線を『セグメント』と呼びます。 また、セグメントを曲げるための取っ手は『ノードハンドル』と呼ばれます。 ノードとセグメントおよびノードハンドルを合わせたものが『パス』です。
パスには、始点ノードと終点ノードがつながっていない開いたパス、始点ノードと終点ノードがつながっている閉じたパス、始点ノード・終点ノードが複数ある複合パスがあります。
オブジェクトには、シェイプとテキストとパスがあります。 シェイプは基本図形であり、シェイプを加工することでゼロから図形を作成するよりも効率よく作業することができます。
テキストは文字の集まりで、キーボードから英数字・日本語などを直接入力できます。 もちろん文字単位で追加・修正・削除することができます。
パスは自由に形作ることができる線で、点であるノード、線であるセグメント、操作のための取っ手であるノードハンドルから構成されます。