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レイヤの使い方(キャンバスを層に分ける)

  

オブジェクトをレイヤで分ける

この記事では、今までほとんど説明してこなかったレイヤの機能について解説します。 レイヤとは文字通り層のことであり、レイヤの機能を利用することでキャンバスを層で分けることができます

 

レイヤは、昔ながらのアニメーションのセルのようなものです。 透明なガラスの板のようなものと言ってもいいかも知れません。 それぞれのレイヤにはオブジェクトを配置することができ、レイヤには上下関係があります。 そのため、上位のレイヤのオブジェクトは、下位のレイヤのオブジェクトを隠します

レイヤの上下関係はいつでも入れ替えることができます。 また、それぞれのレイヤは、非表示にしたりロックをかけることもできます。 非表示にされたレイヤのオブジェクトは表示されなくなり、ロックされたレイヤのオブジェクトは編集することができなくなります

レイヤを使ってみよう

では、実際にレイヤを使ってみましょう。 まずは、新規ドキュメントを開いた直後の状態から見てみましょう。 画面下部の通知エリアの左にあるレイヤ情報欄を見てください。

1. レイヤ情報欄
1. レイヤ情報欄

上図のように "Layer 1" と表示されています。 これは、現在、"Layer 1" という名前のレイヤが選択されていることを示しています。 なお、"Layer 1" というレイヤは、新規にドキュメント開くと自動的に作成されるレイヤです。

  
新規にドキュメントを開くと、"Layer 1" という名前のレイヤのみが作成されます。 そのため、利用者がレイヤを追加も削除もしなければレイヤは1枚のままです。

ではここでレイヤーとオブジェクトダイアログを開いてみましょう。 レイヤーとオブジェクトダイアログは、レイヤおよびオブジェクトを管理するためのダイアログです

  
Inkscape 1.2系で "レイヤーダイアログ" と "オブジェクトダイアログ" が統合され、新たに "レイヤーとオブジェクトダイアログ" になりました。
2. レイヤー(L) -> レイヤーとオブジェクト...を実行
2. レイヤー(L) -> レイヤーとオブジェクト...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"レイヤー(L)" -> "レイヤーとオブジェクト..."を実行します(またはキーボードのSHIFT+CTRL+Lを押します)。

3. レイヤーとオブジェクトダイアログが開く
3. レイヤーとオブジェクトダイアログが開く

上図のようにレイヤーとオブジェクトダイアログが開きます。 上部には操作用のボタンがあり、その下にはレイヤとオブジェクトの一覧があります。

なお、Inkscape 1.2系で、ブレンドモード・ぼかし・不透明度の設定項目はこのダイアログから削除されました。 ブレンドモード・ぼかし・不透明度は、フィル/ストロークダイアログで設定する必要があります。

  
Inkscape 1.0系 / 1.1系では、レイヤのブレンドモード・ぼかし・不透明度はレイヤーダイアログで、オブジェクトのブレンドモード・ぼかし・不透明度はフィル/ストロークダイアログで設定していました。 Inkscape 1.2系からは、レイヤ・オブジェクトともに、フィル/ストロークダイアログでブレンドモード・ぼかし・不透明度を設定します。 つまり、設定場所が統一されました。

では、レイヤとオブジェクトの一覧に注目してください。 一覧には、"Layer 1" レイヤしかありません。 これは、新規にドキュメントを開くと、"Layer 1" という名前のレイヤのみしか作成されないためです。


では次にレイヤの追加を行ってみましょう。 操作方法は3つありますが、まずは画面上部のプルダウンメニューから操作してみましょう

4. レイヤー(L) -> 新規レイヤー(A)...を実行
4. レイヤー(L) -> 新規レイヤー(A)...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"レイヤー(L)" -> "新規レイヤー(A)..."を実行します(またはキーボードのSHIFT+CTRL+Nを押します)。

5. レイヤーを追加ウィンドウが開く
5. レイヤーを追加ウィンドウが開く

上図のようにレイヤーを追加ウィンドウが開きます。 レイヤー名と位置は初期値のままで、[追加(A)]ボタンを押しましょう。

6. レイヤが追加される
6. レイヤが追加される

上図のように新たに "Layer 2" という名前のレイヤが追加されます。 レイヤーを追加ウィンドウで、位置を "現在のレイヤーの前面側" にしていたため "Layer 1" レイヤの前に追加されました。 また、新たに追加された "Layer 2" レイヤが現在選択されています(色が付いている)。

続いては操作用のボタンからレイヤを追加してみましょう。

7. [レイヤーを追加...]ボタンを押す
7. [レイヤーを追加...]ボタンを押す

上図のように[レイヤーを追加...]ボタン([レイヤーを追加...]ボタン)を押します。

8. [追加(A)]ボタンを押す
8. [追加(A)]ボタンを押す

上図のようにレイヤーを追加ウィンドウが開きますので[追加(A)]ボタンを押します。

9. レイヤが追加される
9. レイヤが追加される

上図のように新たに "Layer 3" という名前のレイヤが追加され、選択された状態になっています。

では次に、レイヤ用のサブメニューからレイヤを追加してみましょう。

10. レイヤとオブジェクトの一覧のレイヤの上で右クリック
10. レイヤとオブジェクトの一覧のレイヤの上で右クリック

上図のようにレイヤとオブジェクトの一覧の(1)の "Layer 3" レイヤをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(2)の"新規レイヤー(A)..."を実行します。

11. [追加(A)]ボタンを押す
11. [追加(A)]ボタンを押す

上図のようにレイヤーを追加ウィンドウが開きますので[追加(A)]ボタンを押します。

12. レイヤが追加される
12. レイヤが追加される

上図のように新たに "Layer 4" という名前のレイヤが追加され、選択された状態になります。

これで、画面上部のプルダウンメニューから追加する方法、操作用のボタンで追加する方法、レイヤ用のサブメニューから追加する方法の3つを説明しました。

このように、レイヤはプルダウンメニュー・操作用のボタン・レイヤ用のサブメニューの3箇所で操作することができます

では、あと2枚ほどレイヤを追加してください

13. 合計6枚のレイヤ
13. 合計6枚のレイヤ

上図のようにレイヤは合計6枚になります。 なお、選択されているのは、"Layer 6" レイヤです。


ここからは、レイヤの切り替えの説明に入ります。 レイヤの切り替えとは、他のレイヤの選択のことです。 まずは、1つ下位のレイヤ、つまり1つ背面のレイヤを選択してみましょう

14. レイヤー(L) -> 背面のレイヤーに切り替え(W)を実行
14. レイヤー(L) -> 背面のレイヤーに切り替え(W)を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"レイヤー(L)" -> "背面のレイヤーに切り替え(W)"を実行します(またはキーボードのCTRL+PageDownキーを押します)。

15. 下位のレイヤが選択される
15. 下位のレイヤが選択される

上図のように下位のレイヤである "Layer 5" レイヤが選択されます。 また、画面下部のレイヤ情報欄にも注目してください

16. レイヤ情報欄
16. レイヤ情報欄

上図のように画面下部のレイヤ情報欄も連動して "Layer 5" と表示されています。

続いては、レイヤとオブジェクトの一覧でレイヤを選択してみましょう。

17. レイヤとオブジェクトの一覧の "Layer 1" レイヤをクリック
17. レイヤとオブジェクトの一覧の "Layer 1" レイヤをクリック

上図のようにレイヤとオブジェクトの一覧の "Layer 1" レイヤをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

18. "Layer 1" レイヤが選択される
18. "Layer 1" レイヤが選択される

上図のようにクリックした "Layer 1" レイヤが選択されます。


では次に、レイヤの削除について説明します。 なお、レイヤを削除すると、そのレイヤに配置されているオブジェクトも削除されます

19. レイヤー(L) -> 現在のレイヤーを削除(D)を実行
19. レイヤー(L) -> 現在のレイヤーを削除(D)を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"レイヤー(L)" -> "現在のレイヤーを削除(D)"を実行します。

20. 選択中のレイヤが削除される
20. 選択中のレイヤが削除される

上図のように選択中のレイヤが削除されます。 また、新たに "Layer 2" レイヤが選択されています

続いては操作用のボタンからレイヤを削除してみましょう

21. [オブジェクトを削除]ボタンを押す
21. [オブジェクトを削除]ボタンを押す

上図のように[オブジェクトを削除]ボタン([オブジェクトを削除]ボタン)を押します。

  
[オブジェクトを削除]ボタンは、オブジェクトもレイヤも削除することができます。
22. 選択中のレイヤは削除されていない
22. 選択中のレイヤは削除されていない

上図のように選択中のレイヤは削除されていません。 理由は、利用者はレイヤを選択していないからです。 現在、"Layer 2" レイヤが選択されていますが、これは "Layer 1" レイヤを削除したことにより自動的に選択されたものです。 利用者が選択したわけではありません。

このように、自動的にレイヤが選択された場合は[オブジェクトを削除]ボタン([オブジェクトを削除]ボタン)では削除できません。

  
自動的に選択されたレイヤを[オブジェクトを削除]ボタン([オブジェクトを削除]ボタン)で削除できないのは不具合なのかもしれません。

では、再度レイヤの削除に挑戦しましょう。 "Layer 2" レイヤを選択し直してから、[オブジェクトを削除]ボタン([オブジェクトを削除]ボタン)を押してみましょう。

23. レイヤとオブジェクトの一覧の "Layer 2" レイヤをクリックしてから[オブジェクトを削除]ボタンを押す
23. レイヤとオブジェクトの一覧の "Layer 2" レイヤをクリックしてから[オブジェクトを削除]ボタンを押す

上図のようにレイヤとオブジェクトの一覧の(1)の "Layer 2" レイヤをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックし、続けて、(2)の[オブジェクトを削除]ボタン([オブジェクトを削除]ボタン)を押します。

24. 選択中のレイヤが削除される
24. 選択中のレイヤが削除される

上図のように選択中のレイヤが削除されます。 このように利用者がレイヤを選択することで、[オブジェクトを削除]ボタンでレイヤを削除することができます。

続いては、レイヤ用のサブメニューからレイヤを削除してみます。

25. レイヤとオブジェクトの一覧のレイヤの上で右クリック
25. レイヤとオブジェクトの一覧のレイヤの上で右クリック

上図のようにレイヤとオブジェクトの一覧の(1)の "Layer 3" レイヤをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(2)の"レイヤーを削除(D)"を実行します。

26. クリックしたレイヤが削除される
26. クリックしたレイヤが削除される

上図のようにクリックしたレイヤが削除されます。

次の記事へ

長くなってきたので、そろそろ一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

Inkscapeでは、レイヤを使ってキャンバスを層で分けることができます。 レイヤは透明なガラスの板のようなもので、それぞれのレイヤ上にオブジェクトを配置することができます。 なお、ドキュメントを新規に開いた状態では、"Layer 1" という名前のレイヤのみが存在します。

レイヤには上下関係があり、上位のレイヤのオブジェクトは下位のレイヤのオブジェクトを覆い隠します。 なお、レイヤの上下関係はいつでも入れ替えることができます。

また、それぞれのレイヤは、非表示にしたりロックをかけることもできます。 非表示にされたレイヤのオブジェクトは表示されなくなり、ロックされたレイヤのオブジェクトは編集ができなくなります。

レイヤはレイヤーとオブジェクトダイアログで管理します。 キャンバスを広く取るためにレイヤーとオブジェクトダイアログを表示させたくないのなら、画面上部のプルダウンメニューからも管理が行えます。 また、選択中のレイヤの非表示・ロックの操作程度であれば画面下部のレイヤ情報欄から行えます。

操作/コマンド 説明
SHIFT+CTRL+L レイヤーとオブジェクトダイアログを開く
[レイヤーを追加...]ボタン
(または)
SHIFT+CTRL+N
レイヤを追加する
[オブジェクトを削除]ボタン 選択中のオブジェクト(またはレイヤ)を削除する
CTRL+PageUpキー 前面のレイヤーに切り替える
CTRL+PageDownキー 背面のレイヤーに切り替える
メニュー