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スウォッチで色やグラデーションを共有する(その3)

  

色を素早く指定できオブジェクト間で共有もできるスウォッチ(続き)

前の記事の『スウォッチで色やグラデーションを共有する(その2)』からの続きです。 引き続き、スウォッチの利用例について紹介します。

スウォッチを使ってみる(続き)

ここからは、スウォッチダイアログについて説明します。 スウォッチダイアログは、スウォッチの情報を管理するための専用のダイアログです

まずは、選択ツールに切り替えます。

50. 選択ツールを選択
50. 選択ツールを選択

上図のように画面左部にあるツールボックスから選択ツールを選択します(またはキーボードのS(またはF1キー)を押します)。

次にスウォッチダイアログを開きます。

51. 表示(V) -> スウォッチ(W)...を実行
51. 表示(V) -> スウォッチ(W)...を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"表示(V)" -> "スウォッチ(W)..."を実行するか、キーボードのSHIFT+CTRL+Wを押します

52. スウォッチダイアログが開く
52. スウォッチダイアログが開く

上図のようにスウォッチダイアログが開きます。 様々な色が横並びに表示されていますが、これらはフィル/ストロークダイアログのスウォッチの一覧に表示されているものと同じです

  
Inkscape 1.3系では、スウォッチの各色は横並びではなく縦に一覧表示されます。
  
Inkscape 1.4系では、スウォッチの各色の並びを下部のボタンで切り替えられるようになりました。

なお、先頭にある×が描かれているのは、フィル(またはストローク)を削除するためのものです。 つまり、[塗りなし]ボタン([塗りなし]ボタン)と同じ機能です。

  
Inkscape 0.92系までは、スウォッチの各色の上に四角や菱形の模様が描かれることがありました。 四角は、その色が選択中のオブジェクトのフィルで利用されていることを、菱形はストロークで利用されていることを表していました。 しかし、Inkscape 1.0以降は四角も菱形も描かれなくなりました。
  
 
Inkscape 1.3系で、スウォッチの各色の上の利用状態の表示が復活しました。 選択中のオブジェクトのフィルで利用されている色には丸(●)が、ストロークで利用されている色には輪(◯)が描かれます(右図)。

ではここで楕円のシェイプを選択してみましょう。

53. 楕円のシェイプを選択する
53. 楕円のシェイプを選択する

上図のように楕円のシェイプを選択します。

では、スウォッチダイアログを使って選択中のオブジェクトの色を変更してみましょう。 使い方はカラーパレットと同じで、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックでフィルに色が設定されます。

54. スウォッチダイアログの"My_Fill"をクリック
54. スウォッチダイアログの"My_Fill"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "My_Fill" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 なお、スウォッチの上にマウスカーソルを乗せると、色の名前が表示されます

55. 選択中のオブジェクトのフィルに"My_Fill"が適用される
55. 選択中のオブジェクトのフィルに"My_Fill"が適用される

上図のように選択中のオブジェクトのフィルに "My_Fill" が適用されます。

続いてはストロークを設定しましょう。 使い方はカラーパレットと同じで、SHIFTキーを押しながらのマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックでストロークに色が設定されます。 なお、今回はストロークを削除してみます

56. SHIFTキーを押しながらスウォッチダイアログの"なし"をクリック
56. SHIFTキーを押しながらスウォッチダイアログの"なし"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "なし" を、SHIFTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

57. 選択中のオブジェクトのストロークが削除される
57. 選択中のオブジェクトのストロークが削除される

上図のように選択中のオブジェクトのストロークが削除されます。 このように、フィル(またはストローク)を簡単に削除することもできます

では、再度ストロークを設定しましょう。 "My_Stroke" に戻します。

58. スウォッチダイアログの"My_Stroke"をクリック
58. スウォッチダイアログの"My_Stroke"をクリック

上図のようにスウォッチダイアログの "My_Stroke" を、SHIFTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

59. 選択中のオブジェクトのストロークに"My_Stroke"が適用される
59. 選択中のオブジェクトのストロークに"My_Stroke"が適用される

上図のように選択中のオブジェクトのストロークに "My_Stroke" が適用されます。

では次に、スウォッチ "My_Stroke" を削除してみましょう。

60. サブメニューからスウォッチを削除する
60. サブメニューからスウォッチを削除する

上図のようにスウォッチの "My_Stroke" を(1)のようにマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(2)の"削除"を実行します。

ではここで、フィル/ストロークダイアログの『ストロークの塗り』タブに切り替えてみましょう

61. ストロークが線形グラデーションに変化している
61. ストロークが線形グラデーションに変化している

上図のように(1)のフィル/ストロークダイアログの(2)の『ストロークの塗り』タブに切り替えてみると、ストロークが(3)の線形グラデーション([線形グラデーション]ボタン)に自動的に切り替わっていることがわかります

そして、グラデーションの一覧に(4)の "My_Stroke" という名前のグラデーションが作成されており、しかも利用数(#)が 2 となっています。 つまり、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)を押した時と同じ状態になりました。

確認のため、矩形のシェイプのストロークがどうなっているかを見てみましょう

62. 矩形のシェイプを選択する
62. 矩形のシェイプを選択する

上図のように矩形のシェイプを選択します。

63. 矩形のシェイプもストロークが線形グラデーションに変化している
63. 矩形のシェイプもストロークが線形グラデーションに変化している

上図のように矩形のシェイプもストロークが線形グラデーション([線形グラデーション]ボタン)に自動的に切り替わっています。 また、選択されているグラデーションは "My_Stroke" であることがわかります。

つまり、矩形のシェイプと楕円のシェイプの色の共有は失われていない、ということです。

では、再びスウォッチを利用するように設定を変更しましょう。

64. 『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタンを選択する
64. 『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタンを選択する

上図のように『ストロークの塗り』タブの[スウォッチ]ボタン([スウォッチ]ボタン)を選択します。

65. ストロークがスウォッチに切り替わる
65. ストロークがスウォッチに切り替わる

上図のようにストロークがスウォッチに切り替わり、スウォッチの一覧には "My_Stroke" が戻っています。 また、利用数(#)が 2 となっていることから、楕円のシェイプとの色の共有が保たれていることもわかります

一応、楕円のシェイプのストロークがどうなっているかを見てみましょう。

66. 楕円のシェイプを選択する
66. 楕円のシェイプを選択する

上図のように楕円のシェイプを選択します。

67. 楕円のシェイプもストロークがスウォッチに変化している
67. 楕円のシェイプもストロークがスウォッチに変化している

上図のように楕円のシェイプもストロークがスウォッチ([スウォッチ]ボタン)に変化しています。 また、選択されているグラデーションは矩形のシェイプと同じ "My_Stroke" です。

このように、スウォッチのサブメニューの"削除"を実行した結果は、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)を押した時と同じになります

  
スウォッチのサブメニューの"削除"では、未使用のスウォッチを削除することもできます。 一方、フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)では未使用のスウォッチは削除できません。

続いては、スウォッチのサブメニューの"編集"を実行してみましょう。

68. サブメニューからスウォッチを編集する
68. サブメニューからスウォッチを編集する

上図のように(1)のスウォッチダイアログに切り替えて、スウォッチの "My_Stroke" を(2)のようにマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるサブメニューの(3)の"編集"を実行します。

69. グラデーションツールに切り替わっている
69. グラデーションツールに切り替わっている

上図のように画面左部にあるツールボックスのグラデーションツールが選択されています。 このように、スウォッチのサブメニューから "編集" を実行するとグラデーションツールが選択されます。

最後に、スウォッチダイアログの表示内容をカラーパレットに切り替える方法を説明します。 実は、スウォッチダイアログはカラーパレットを表示することもできます

70. スウォッチダイアログの右下にあるハンバーガーボタンをクリック
70. スウォッチダイアログの右下にあるハンバーガーボタンをクリック

上図のようにスウォッチダイアログの右下にあるハンバーガーボタン(ハンバーガーボタン)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

  
 
Inkscape 1.4系からは、ハンバーガーボタン(ハンバーガーボタン)ではなく上部の "ドキュメントスウォッチ" をクリックします(右図)。
71. 一覧からカラーパレットを選択する
71. 一覧からカラーパレットを選択する

上図のようにカラーパレットの一覧が表示されますので、切り替えたいカラーパレットを選択します。 今回は "Royal" を選択してみましょう。

  
初期状態では "Auto" が選択されています。 "Auto" を選択するとスウォッチの内容が表示されます。
  
Inkscape 1.4系からは "Auto" ではなく "ドキュメントスウォッチ" という名称に変更されています。
72. カラーパレットが切り替わる
72. カラーパレットが切り替わる

上図のようにカラーパレットが "Royal" に切り替わります。 このように、スウォッチダイアログではカラーパレットを表示することもできます

なお、画面下部のカラーパレットにもスウォッチを表示させることができます。 手順はみなさんの予想通りだと思いますが、実際にやってみましょう。

73. カラーパレットの右端にあるハンバーガーボタンをクリック
73. カラーパレットの右端にあるハンバーガーボタンをクリック

上図のようにカラーパレットの右端にあるハンバーガーボタン(ハンバーガーボタン)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

74. 一覧から"Auto"を選択する
74. 一覧から"Auto"を選択する

上図のようにカラーパレットの一覧が表示されますので、"Auto"を選択します。

  
Inkscape 1.4系からは "Auto" ではなく "ドキュメントスウォッチ" という名称に変更されています。
  
初期状態では "Inkscape default" が選択されています。
75. スウォッチが表示されるようになる
75. スウォッチが表示されるようになる

上図のようにスウォッチが表示されるようになります。

このように、カラーパレットはいつでもスウォッチに切り替える事ができます。 また、スウォッチに切り替えたことで、今までは利用できなかったサブメニューの"削除"や"編集"も使えるようになっています

76. サブメニューの"削除"や"編集"が有効になる
76. サブメニューの"削除"や"編集"が有効になる

上図のようにカラーパレットをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックすると表示されるサブメニューの"削除"や"編集"が有効になっています。

このように、スウォッチダイアログと画面下部のカラーパレットは同じ機能を持っています。 画面下部のカラーパレットにスウォッチを表示させることで画面を大きく使えるという利点があります

  
  

まとめ

Inkscapeには、スウォッチを管理するためのスウォッチダイアログがあります。 スウォッチダイアログに表示されるスウォッチはフィル/ストロークダイアログのスウォッチの一覧と同じですが、左端にはフィル/ストロークを削除するための "なし" があります。

操作/コマンド 説明
SHIFT+CTRL+W スウォッチダイアログを開く

スウォッチダイアログのスウォッチの左クリックで色を設定することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
クリックした色を選択中のオブジェクトのフィルに設定する
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
SHIFT+マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)
クリックした色を選択中のオブジェクトのストロークに設定する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューからも色を設定することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "フィルに設定"
クリックしたスウォッチを選択中のオブジェクトのフィルに設定する
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "ストロークに設定"
クリックしたスウォッチを選択中のオブジェクトのストロークに設定する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューの"削除"でスウォッチを削除することができます。 フィル/ストロークダイアログの[スウォッチを削除]ボタン([スウォッチを削除]ボタン)と同じ機能ですが、こちらは未使用のスウォッチを削除することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "削除"
クリックしたスウォッチを削除する

スウォッチダイアログのスウォッチの右クリックで表示されるサブメニューの"編集"でグラデーションを編集することができます。

操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログのスウォッチの上で)
マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "編集"
グラデーションを編集する
※グラデーションツールに切り替わる

スウォッチダイアログでは、右下にあるハンバーガーボタン(ハンバーガーボタン)をクリックすることでカラーパレットの表示に切り替えることができます。 同様に、カラーパレットも右端にあるハンバーガーボタン(ハンバーガーボタン)をクリックすることでスウォッチの表示に切り替えることができます。 スウォッチダイアログもカラーパレットも、"Auto" を選択するとスウォッチに、それ以外を選択するとカラーパレットが表示されます。

  
Inkscape 1.4系からは "Auto" ではなく "ドキュメントスウォッチ" という名称に変更されています。
操作/コマンド 説明
(スウォッチダイアログの右下の)
ハンバーガーボタン
スウォッチ/カラーパレットの表示を切り替える
(カラーパレットの右端の)
ハンバーガーボタン
スウォッチ/カラーパレットの表示を切り替える
メニュー